医師の経験による処方については何も言えない

こんにちはイバスタです。

先日、患者さんから持参薬をお預かりした時に


チラーヂンS錠50μg 1日1回1回1錠 朝食後 偶数日

チラーヂンS錠70μg 1日1回1回1錠 朝食後 奇数日

チラーヂンを偶数日と奇数日で分けて飲む用法で処方されていました。

過去に一度だけ同じような用法を見たことがあり、その時はあまり考えずに持参薬の登録をしたのですが

さすがに今回は気になり調べてみました。

文献を検索するも見つからず

甲状腺機能低下症の診断ガイドラインを検索したのですが、このような用法は見当たらず、Google scholarで検索も該当する文献を見つけることはできませんでした。

つまりこの用法は根拠がない可能性がある。

そこでメーカーに問い合わせたところ


1:チラーヂンの半減期は7−10日程度で、交互に用法を変えて投与するのはあまり効果がないのでは?

2:医師の経験に基づく処方ではもしかしたらそのような用法もあるかもしれません。

との回答をもらいました。

この用法ではそもそも、31日と1日で共に奇数日になってしまうし、患者さんの飲み間違いのリスクも出てきます。

調剤した保険薬局さんはおそらく疑義照会をしていると思いますが、医師から「そのままで」と返答されどうしようもなかったのではないかと思います。

もちろん医師の経験則というのは非常に重要ではありますが、経験則での処方を出すのであれば、参考にした文献など提示してもらえると納得して調剤ができると思う1日でした。

以上です。

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