疑義照会を待たせてしまう理由【病院で何が起きているか】

こんにちはイバスタです。

薬剤師
薬剤師

疑義照会を出してもう30分以上かかってるぞ!
なんでこんなに返信が遅いんだ。

今回は、こんな疑問に関して取り上げました。

薬剤師の仕事で必ずやることと言えば疑義照会

薬剤師の仕事で必ずやることと言えば疑義照会

保険薬局では、患者さんの処方箋を監査し、病院やクリニックへ疑義照会をかけて、

病院では保険薬局から来た疑義照会を受け取り、医師へ確認をし、その答えを返します。

しかし疑義照会の返答は毎回すぐに帰ってくることはありません。

むしろ待たされることの方が多いと思います。

疑義照会の返信がなかなか来ないな、、、、

と思いながら保険薬局の薬剤師さんは病院からの返信を待っているかと思います。

時には確認の電話を病院に頂いたりしますが、病院からはまだ回答が来ていませんの返答のみ…..

イバスタ
イバスタ

医師から返答が来たらすぐに返信するように心掛けておりますが、いつも待たせてしまい申し訳なく思っております。

最悪の場合、しびれを切らした患者さんが怒って帰ってしまうことがありますね。

疑義照会を待たせないように色々動いています

女性薬剤師

病院薬剤師は疑義照会をすぐに返答できないことは日々申し訳ないと思っております。

患者さんを待たせることは、患者さんの不利益になりますし、できる限り早く返信できればと日々考えております。

今回の話の主題である疑義照会ですが、受け取る方法については病院、クリニックでそれぞれ異なります。

例えば

・病院薬剤師がFAXを受け取って対応する

・病院薬剤師が保険薬局と電話で直接対応する

・保険薬局が直接外来へ電話し看護師が対応する

こんな感じかと思います。

そこで今回は

保険薬局から疑義照会を受け取った病院薬剤師がその後何をしているのか、なぜ返信が遅くなってしまうのか、いくつかのケースを取り上げて紹介したいと思います。

では早速いきましょう!

院内薬局がバタバタしており対応できていない

疑義照会をFAXでもらった時に薬局内がバタバタしていることがあります。

例えば

・医師からの問い合わせの対応

・外来の患者さんへの指導(インスリン自己注などの指導)

・別の薬剤師は院内処方箋の疑義照会

このような感じで病院の薬局の中では他の業務に追われていることがよくあります。

その時に疑義照会がFAXで送られて来たとしても、他の仕事に追われていて、疑義照会対応が後手になってしまい十分な対応が出来ません。

疑義照会に割ける人数が減ってしまうため、返信までの時間が遅れる原因となっています。

医師が忙しいため対応できない

病院薬剤師が疑義照会をすぐに受け取り疑義照会をしたとしても、すぐに返信が来ない場合が多々あります。

それは受け手の医師があまりにも忙しい場合です。

例えば

医師が外来診察中の場合

まずは今対応している患者さんが第一優先となります。

看護師が診察の間に医師へ疑義照会の内容を問い合わせをしてくれるのですが、

もし、医師の診察が告知など重要な場面だとしたら、診察が終わるのに時間がかかってしまいます。

患者さんが急変し医師の手が離せない時

特に手術中で重要な局面の場面では

オペ室にいるスタッフが代理で電話を受け取ってくれますが、医師へ伝わるのは後にあるかと思います。

このような理由から、医師からの返答が遅れ、結果的に保険薬局への疑義照会の返答が遅くなってしまいます。

疑義照会の内容を読み取るのに難解

保険薬局の疑義照会の読み取るのに難解な場合は時間がかかります。

例えばですが

字が汚くて何が書いてあるのか分からない場合です。

もちろんお互い様なのかもしれません、、、

汚いというのもなかなか言えないので、なんとか理解しようと努力しますが、これに10分くらい時間を費やしたこともあります。

なので、出来れば読み手を思って内容を書いてくれると嬉しいです。

本来は単純な内容なのに複雑になっている場合

本来は単純な内容なのに複雑になっている場合

例えば

今回ファモチジン、ロキソプロフェンを継続処方されました。

実はB病院でも新たにファモチジンが処方されていました。

ファモチジンを重複内服していた事に薬剤師が気づき、ファモチジンをB病院医師へ提案し中止にしました。

この患者さんは腎機能が悪化傾向なのでファモチジンの減量を提案します。またロキソプロフェンは腎機能が悪化傾向なので別な薬剤に変更した方が良いでしょうか。

結局言いたいことはファモチジンの減量提案、腎機能低下状態でのロキソプロフェンの継続確認になります。

このように丁寧に疑義照会を書いては頂くのですが、この文章の背景を確認するために、患者さんの電子カルテ上のデータを読み込まなければなりませんし、解釈するのに時間がかかってしまいます。

なので出来る限りシンプル内容で疑義照会をして頂くと対応しやすいかもしれません。

疑義照会が同時に何件も来ている場合

返信が遅くなる大きな理由の一つがこちらです。

他の薬局からも同様に疑義照会が来ます。

例えば残薬調整報告、規格変更、後発品変更の疑義照会でしたら、同時に疑義照会が来たとしてもすぐに対応ができます。

一方で

処方薬剤の用法、処方提案についての疑義照会の場合は返信に時間がかかります。

内容把握をしないまま疑義照会をかけた場合、医師に質問された時に対応が出来ないので、こちらで下調べをした上で疑義照会をかけます。

イバスタ
イバスタ

これが結構時間がかかるんです。

病院薬剤師は電子カルテで患者背景、併用している内服薬、疑義照会となった薬剤の詳細な情報の確認をします。

つまり、調べる手間と、疑義照会内容をしっかり把握する時間が余計にかかるわけです。

そこから医師へ疑義照会をかけて、医師の返答を待つので

それが他の薬局からも何件も連続してしまうと、自ずと返答までの時間が長くなってしまいます。

特に昼前など患者さんが多く来局する時間はこの状態になっていることがあるので、ご理解頂ければと思います。

医師が電話に出ない、捕まらない

医師が電話に出ない、捕まらない場合があります。

例えば持参のPHSを置き忘れていったり、仕事疲れで寝てしまった、その他の理由で出られない場合があります。

少し時間をおいて連絡を取ってみるものの反応がない…

医師も人間ですから必ず電話に出れるわけではありません。

流石にそのままにしておくわけにはいきませんので、担当した医師を探しに行きます。

探す順序としては

医局を探しに行く
担当医師の机を探す
病棟や担当医師が行きそうな場所を探す

こんな感じですね。

見つかるまで、電話と足を使って探し続けます。

もし非常勤の医師だとすでに院内にいないことが圧倒的に多いので、外来の看護師に医師の携帯の番号を聞き直接電話をすることもあります。

イバスタ
イバスタ

完全に初対面ですので
電話するとかなり緊張します笑

担当医師が見つかりましたら、直接医師へ疑義照会を行い、得られた回答をすぐに保険薬局へ返信をします。

この時も事前に医師へ患者背景など伝えて、分かりやすく疑義照会をする為に事前に下準備が必要です。

疑義照会返信に時間がかかるのは様々な理由があります。

いかがだったでしょうか。

今回は保険薬局から疑義照会をもらった時に返信に時間がかかる理由を解説しました。

患者さんを待たせることや、患者さんの怒りの矛先が保険薬局になってしまうことには日々申し訳なく感じております。

患者さん、保険薬局の為にも出来る限り早く、返信しようと努めていますが、今回あげた理由ですぐに返せないことがあるので、病院薬剤師は疑義照会を受けたあと何をしているのか今回の記事で少しでも分かって頂ければありがたいなと思います。

以上です。

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