実務実習に向けての準備や実習期間中にやっていること【指導薬剤師】

指導

こんにちはイバスタです。

指導薬剤師
指導薬剤師

今回初めて実習生を受け入れるんだけど、どんな準備をすればいいんだろう?

実習期間は何かやることあるかな

今回はこんなテーマで取り上げてみたいと思います。

さてまずは私の背景です。

  • 認定指導薬剤師である(2年目)
  • 毎年学生を複数名受け入れている
  • 全体の管理を行っている

こんな感じで認定指導薬剤師になって2年目ですが、現在は実習生のマネジメントを全て担当してます。

もちろん施設によって実習生への教育方法は千差万別ですが、病院ではどんな感じで実務実習のスケジューリングをしているのか知りたい方に向けた記事です。

あくまで一つの参考にしてもらえればと思います。

では早速いきましょう!

実習に向けての準備について

実習に向けての準備について

初めに実習生が来る前の準備についてまず取り上げていきますね。

まず最初に12週間の実習スケジュールを大まかに決めていきます。

なぜ大まかなのかというと、薬剤師の年休の申請、当直日の交代といった、担当薬剤師の都合などでスケジュールが頻繁に変わるので、できるだけ融通が効くようにする必要があるからなんです。

さて最初の4週間では、実習生に薬局内の仕事についてメインに学んでもらうようスケジューリングをしていきます。

これはほとんどの実習生が注射調剤や抗がん剤調整などの経験をしていないので、まずは先に経験することで病院の仕組みを知りつつ、病棟業務にスムーズに移行してもらうような流れを意図して、スケジュールを組み立てるわけです。

薬局内での仕事だと計数調剤(内服薬、外用薬、注射剤等)、処方箋、計数調剤の監査、疑義照会、抗がん剤調整などがありますね。

職場環境も以前の実習先と変わるので、まずは職場の雰囲気に慣れてもらい、そして復習もかねて調剤業務をメインにやってもらう流れとなっています。

徐々に慣れてきた5〜8週目くらいから病棟業務をスタートして、実際に患者さんや医師、看護師など他職種と徐々に関わってもらい、その後は中間報告準備、発表をやってもらう感じです。

この期間に、他職種の仕事を見学してもらい薬剤師としての知識、経験だけでななく病院全体のイメージをつかんでもらいます。

残りの実習期間は自分が興味を持った分野を掘り下げたり、服薬指導の質を向上させ最終報告を発表し終了というのが私の病院の実習スケジュールとなっております。

実習生についての情報を確認する。

実習生についての情報を確認する

2019年度よりⅢ期制がⅣ期制に変更になりました。

それに伴い保険薬局で実習を行ってから、病院での実習に変わっています。

なので、病院実習前には、実習生が保険薬局で何を学んできたか、あまり経験してこなかった疾患は何かといった課題を実習システム上にアップされた実習レポートから見つけ出し、病院実習にうまく活かせるように調べておきます。

レポートは実習生のやりたいことのニーズを見つけるのにも役立つのであらかじめざっくり調べておくのはオススメです。

イバスタ
イバスタ

必ずやる必要があるわけではないですが、やっておくと実習生のニーズに合わせたスケジュールを組みやすくなります。

実習管理システムにスケジュールをアップし大学と共有

実習管理システムにスケジュールをアップし大学と共有

実習スケジュールをある程度まとめたら、実務実習指導管理システムにスケジュールをアップし大学側、実習生に情報を共有します。

また学生や大学へ病院側からの要望を伝えます。

例えば、実習時はスーツ着用で来院して頂く、冬の季節だとインフルエンザなどが流行するので感染対策などしっかりもらうなど病院側の要望を伝えます。

また実習生も初めて来院する時の服装、持参物について分からないと不安になってしまうので、そういったことを含め、事前の情報を共有しておくとスムーズに実習が始められます。

実習期間中にやること

実習期間中にやること

さて実習が始まりました。

最初に設定した計画で進んでいくわけですが、先ほど挙げた薬剤師の年休や、当直などといった、イレギュラーなことが出てくるので実習スケジュールの微調整をしていきます。

イバスタ
イバスタ

結構頻繁に出てくるので柔軟なスケジュール設定がおすすめですよ

年休でその日担当になる薬剤師が不在の場合ならば、事前に代理の薬剤師へ依頼をすることで対応していきます。

特に冬の季節だとインフルエンザやノロウイルスに罹るリスクがあるので融通の効く代理の薬剤師を立てておくといいと思います。

日誌の確認、アドバイスなど

日誌の確認、アドバイスなど

実習で学んだことを日々のレポートとして実習生は毎日まとめますので、その確認をしていきます。

まとめた内容は指導薬剤師が確認するのですが、教えたことと実習生の日誌の内容に違いがあったり、内容が不十分だった場合は、間違いの部分の修正や追記を実習生にお願いします。

ほとんどの学生が内容の濃いレポートを報告してくれるので、しっかり内容をチェックするにも結構時間と手間がかかるんですが、日誌の中には実は自分の知らなかったことも書いてあるので自分の勉強になるメリットもありますから面倒とは思わずにやって頂ければと思います。

とはいっても実習生は実習終わりに日誌をまとめますし、指導薬剤師は業務終了後に確認するのでお互いにけっこう大変です。

興味のある分野を見つけてもらう

興味のある分野を見つけてもらう

我々としては将来の職業選択の一つとして、病院薬剤師も一つに含めて欲しいので病院実習中に興味のある分野を見つけてもらえうようサポートしていきます。

実習を始める前に明確な目標を持ってくる実習生は残念ながら滅多にいません。

これは別に実習生に問題にあるわけではなくて、そもそも臨床現場を知らないので、イメージが湧きにくいのは仕方がないと思います。

なので、実習4週目を過ぎて慣れてきた頃から、再度実習生に気になる分野があるかどうか確認して、既に見つかっているのであれば、その分野を深く勉強してもらうように促します。

もうドンドン突き進んでいいよと

もしもなければ、この実習期間中に思い出に残っている実習内容を挙げてもらうことで興味のある分野を発見してもらいます。

これが中間発表、最終発表のテーマになりますし、病院薬剤師ではないかもしれませんが、将来の仕事を見つけるきっかけになるかもしれないので丁寧に聞き取りします。

発表資料作成のフォローをする

発表資料作成のフォローをする

最後に学生の中間、最終報告に向けての準備のお手伝いをします。

今までの実習を通して見つけた興味のある分野、例えば気になる疾患を持つ患者さんについて症例としてまとめたり、薬品管理や抗がん剤調整など発表という形でまとめる手助けをします。

あまりこちらの意見を言い過ぎてしまうと、学生さんの色が薄れてしまうので、良い塩梅のところでアドバイスを止めるのがちょうど良いと思います。

このような感じで指導薬剤師は実習に向けての準備やサポートを行っています。

指導薬剤師の熱意が学生の将来選択にも影響する!

就職活動

今回は実務実習前の準備や実習期間にやることについて取り上げてみました。

もちろん受け入れる実習生によってモチベーションや習得してきた知識などにバラツキはありますので指導薬剤師側のやる気もその学生のモチベーションに少なからず影響をうけるかもしれません。

実習指導者の熱意が実習終了後の学生の学習意欲のみならず学生の将来選択に対しても非常に強く影響を及ぼすことが明らかになった

実務実習による学習意欲向上とその要因
YAKUZAISHI ZASSHI 134(11)1227-1235(2014)

しかしこちらの報告にあるように

指導薬剤師の熱意によって、実習生の人生を変えてしまう責任があることも我々は認識しておかなければなりません。

実習生の将来を良いものにするためにも我々指導薬剤師は全ての実習生に熱意を持って指導を行っていきたいものです。

以上です。

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