アセトアミノフェンで除痛ができない患者への提案について【本日の学んだ・提案したこと】

イバスタです。

本日の学んだ、提案したことについて書いていきます。

頸部の癌性疼痛に対しアセトアミノフェンで疼痛コントロールが取れなくなった患者さん

頸部の癌性疼痛に対し

アセトアミノフェン錠  1回200mg 疼痛時

でコントロールされていました。

NRSは0、時折2程度です。

頓用を全くない日もあるくらい、特に疼痛コントロールは良好で問題なく経過していました。

しかし、1週間ほど前から疼痛コントロールが不良となりました

日中は人の出入りなどで痛みの気は紛れるようだったものの、夜間帯は疼痛が増悪するような経過を辿っています。

増悪時はNRS7でした。

そこで

アセトアミノフェン500mg 1回1錠 就寝前

が追加となりました。

加えて、疼痛時として

アセトアミノフェン500mg 1回1錠 疼痛時 内服後4時間空けて、再度内服可 1日4回まで

の指示も入りました。

処方後、連日アセトアミノフェンは指示の最大回数まで内服し、それでも除痛は満足に得られることはできませんでした。

そこで医師より疼痛コントロールに関する相談を頂き

介入することに。

患者は背景として、腎機能、肝機能は問題ありません。

ただし過去にソセゴン(ペンタゾシン)でアナフィラキシーの既往がありました。

処方提案についての検討

まず、頸部の痛みに対しアセトアミノフェンの増量(現在2500mg /日内服)では除痛は難しいと判断しました。

がん治療ガイドラインではNSAIDs、アセトアミノフェンで除痛ができなければオピオイドへの移行となっています。

しかし、増悪時はNRS7ということではあるもの、我慢できない痛みほどの訴えはないため、弱オピオイドを挟んで、もしもコントロールがつかなければ強オピオイドの提案を検討しました。

患者背景で、ソセゴンでアナフィラキシー(詳細は不明)があるため、ソセゴンとトラマールの交差反応(トラマールでアナフィラキシーが起きないか)についてメーカーへ確認しました。

メーカーからの回答としては、報告はないものの、添付文書に記載がある

オピオイド鎮痛剤に対し過敏症の既往歴のある患者(本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者を除く)

トラマールOD25mg添付文書より

このため投与は可能だが、投与後に注意するようにとことなので、トラマールは使用することにし

提案として

1:トラマールOD25mg 1回1錠1日4回毎食後・就寝前+レスキュー トラマールOD25mg 疼痛時

⇨アセトアミノフェンでコントロールがついていないので一度終了しトラマールだけにする。

2:トラムセット配合錠 1回1錠1日4回毎食後・就寝前+レスキュー トラマールOD25mg 疼痛時

⇨アセトアミノフェンにトラマールを上乗せするパターン。

2パターンを医師へ提案しました。

最終的にはオキノーム散頓用へ

今回提案したものは採用されず、オキノーム散2.5mg頓用が追加となりました。

段階を踏んだ方がいいのではないかとは思ったのですが、苦痛除去優先を考えると仕方がないのかもしれません。

今後、オキノーム散で疼痛コントロールがつかなければ、今度はオピオイドのベースを導入の提案をしていきたいと思います。

以上です。

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