時には聞くだけも役立つ仕事になる

こんにちは、イバスタです。

特に目新しい話ではないですが、

時には薬剤の話よりも、ただ患者さんの愚痴を聞いてあげることの方が遥かに価値がある場合もあるということです。

なんでこんな話をするかというと

今病院ではコロナウイルスの影響もあり面会制限が設けられています。

従って患者さんがご家族と面会する機会がものすごく少なくなっているんですね。

以前のように病室にお伺いしたらご家族がいるという光景はだいぶ見ていないですし、ご家族と会うのは入院か退院の時です。

場合によっては全くお会いしません。

よくよく考えると、患者さんが一人でいる時間は前よりも圧倒的に多くなったと思います。

看護師さんや他の医療スタッフと話はするでしょうけれど、仕事をしながらなのでまとまった話はできないですよね。

患者さんが言っていたことで

患者さん
患者さん

愚痴をこぼせる相手が周りにいないから

入院が長くなると頭がおかしくなってくるんだよ

確かに、誰とも話さなければ、頭がおかしくなってくるのも分かります。

しかも、がん患者さんは、化学療法の効果が得られ、回復に向かっていけば良いのですが、化学療法の主たる目的はがんの増悪を抑え、生存期間を長くするわけで、患者さんはそういう不安の中で生活しているわけです。

やはり一人は寂しいですから話を聞いてほしいわけですよね。

患者さんの愚痴をただ聞いてあげるだけでもすごく価値があると思う

薬剤師の主たる仕事は患者さんに適正な薬剤の使用を推進するわけですが、安定していれば薬が全く変わらない患者さんもいるわけです。

そういう時はお変わりないですか?というよりも

私だったら季節の話であったり、最近話題になっているニュースの話などを雑談をして病気に対する悩みから少しでも解放させてあげます。

もちろん会話をしたくない患者さんもいるので、そういう患者さんには無理して会話をする必要はないですが、少しの時間でも話を聞いてあげると患者さんの気が休まると私は思います。

特に

患者さん
患者さん

聞いてくれてありがとう。

この言葉を聞くだけでも、薬剤師の仕事を十分果たしたと私は思っています。

実際に私が経験した話ですが

元々冗談の好きなユーモアのある患者さんの服薬指導を担当することになりました。

その方は家族や兄弟に弱みを全く見せない方でしたが、抗がん剤が効かなくなり、さらに予想外の入院が重なったため、入院後は頻繁に涙を流され気持ちが折れている状態だったのでなんとかしようと思ったわけです。

元々理解力があり薬についてはすぐに理解できる方でしたから、私は薬の話は一切せず、患者さんの不安や残された家族への思いなど話をひたすら傾聴することに決めました。

患者さんの話を聞いてると不安を吐き出しためか、次第に冗談も言えるような状態になってきました。

薬剤の話は一切していませんが、今までで一番役立った服薬指導だと思います。

さらに傾聴に徹すると看護師や医師が知らなかった詳細な情報が得られることがありますし、それが実はかなり重要な情報だったりすることもあるんです。

それを引き出しただけでも薬剤師としてかなり価値のある行動だったと思います。

服薬指導も大事、だけど時には傾聴だけでも十分だと思う

今回、実際に出会った患者さんを通して、指導を一切やらず、傾聴だけでもいい面談があってもいいのだなと思う経験をしました。

医師、看護師は残念ながら十分な時間を取れません。

もちろん薬剤師もそうかもですが、ただ病院薬剤師をしている私としては他の職種に比べて、患者さんの話に割ける時間は十分にあると思っています。

だだ傾聴に徹することで患者さんに役立つ。

レンタル話を聞くだけの人という職業が存在するわけですから、ただ話を聞いて欲しい人は多いはずです。

特に患者さんは病気の恐怖と闘いながら日々過ごしているわけですから、服薬指導を一切せずに話を聞くだけでも一つの服薬指導だと考え今後も続けていきたいと思います。

以上です。

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