【吸入薬】ブリーズヘラーの特徴、指導ポイントについて

ブリーズヘラー

こんにちはイバスタです。

薬剤師
薬剤師

ブリーズヘラーの処方箋をもらったんだけど、門前も吸入薬は出さないし、吸入指導に自信がないんだよね

私の周りの薬剤師さんでも同じような悩みを持っている方がいらっしゃいました。

そこで今回はブリーズヘラーの特徴と吸入指導ポイントについて解説していきたいと思います。

まず私の背景ですが

  • 病院薬剤師として7年勤務
  • 吸入指導を300人以上実施
  • 地域の薬剤師さん向けに定期的に吸入指導講演会を開催し、講演を行っている

300人以上の様々な患者さんへ吸入指導を行った経験を元に患者さんへの指導のツボや誤操作のポイントについては把握しておりおります。

さて今回の記事ですが

ブリーズヘラーについてよく知らない方、吸入指導をあまりした事がない方が、この記事を通してブリーズヘラーの指導ポイントを押さえて、患者さんに吸入のツボを習得して頂くことを目的にしています。

この記事を読んでいただく事で、ブリーズヘラーの吸入指導のポイントについて理解を深めて頂ければと幸いです。

では早速いきましょう

【吸入薬】ブリーズヘラーの特徴について

ブリーズヘラー

まずはブリーズヘラーの一連の吸入操作について振り返ってみましょう。

  • 1:キャップを取り外します。
  • 2:マウスピースを開けます。
  • 3:アルミシートからカプセルを取り出します。(オンブレスは取り出し、オンブレス以外はシールを剥がすことに注意!)
  • 4:カプセルを溝に入れてマウスピースを閉じます。
  • 5:ブリーズヘラーの両側のボタンを1度押します。
  • 6:息吐きを行います。
  • 7:「強く、早く、深く」吸い込みます。(カラカラ音が聞こえるとOKです)
  • 8:息どめをします。(5秒程度)
  • 9:息をゆっくり吐き出します。
  • 10:カプセルを手に触れずに捨てます。
  • 11:うがいをします。

カプセルの入れ間違い

両側のボタンの押しっぱなしで吸入する

息どめを忘れてしまいすぐに吐き出すなど

この項目のミスは割と起きやすいので注意しておくといいと思います。

次にブリーズヘラーの特徴を簡単にまとめます。

  • 吸入薬がカプセルに充填されている
  • 1日1回でいい
  • 何回でも吸い直しができる
  • 吸気流速があまりなくても吸入できる

この4つがブリーズヘラーの大まかな特徴です。

では1つずつ見ていきましょう。

吸入薬がカプセルに充填されている

吸入薬がカプセルに充填されている

まず一つ目の特徴として吸入薬がカプセルに充填されていることです。

他にはハンディヘラー(スピリーバ)がカプセルタイプになりますね。

では吸入薬がカプセルの形状であることのメリットは何かといいますと

  • 吸入する時にカプセルを充填すればいいので、過量投与を防ぐことができる
  • 吸入できたかどうかは、カプセルの中身を確認することで分かる
  • 誤飲しても副作用が少ないと考えられる
  • カプセルは包装してあるので、油性ペンで日付を書くなど工夫ができる

今挙げた内容について細かく見ていきたいと思います。

過量投与を防ぐことができる

過量投与を防げるというのはブリーズヘラーの特徴です。

よくある例として、

次回の外来受診日には薬が少し余るはずなのに、残薬が足らなくなった

これは、患者さんが何らかの理由で吸い過ぎているという可能性があります。

例えば

  • 吸えたかどうか分からず吸い直した
  • むせてたり、上手く吸えないため吸い直した
  • 吸入したことを忘れてしまった

吸えたかどうか分からず吸い直した

吸ったことを忘れたというのは全ての患者さんで起きることで

特に吸えたかどうか実感が分かりにくいタービュヘイラー、

メモリが大まかなレスピマットやpMDIなどのデバイスで見られます。

一方でブリーズヘラーは1カプセルで1日分なので、

例えばお薬カレンダーに内服薬と一緒に入れておけば、今日吸ったかどうかが分かるというメリットがあります

高齢の患者さんには使用した空のカプセルを捨てずに保管してもらい、

薬剤師やご家族が空のカプセルの個数を確認することで

適切に使用したか確認することもできますね。

吸入できたかどうかは、カプセルの中身を確認することで分かる

専用のカプセルは半透明になっているので、中身が吸えたかどうかは吸入後にブリーズヘラーから取り出して確認することができます。

さらに、薬によってカプセルの色が違うという特徴があります。

ブリーズヘラーカプセルの特徴

下にそれぞれの色をまとめると

シーブリ:サンセットイエロー

オンブレス :キャップとボディが薄い黄色

ウルティブロ :キャップが黄色、ボディが透明

エナジア :キャップが緑色、ボディが透明

アテキュラ :ボディとキャップが共に透明無職

カプセルの色が違うメリットは、誤使用防止になることです。

例えば、症状が悪化してシーブリからウルティブロに処方変更になった時、

シーブリが余ってしまうことがあるかもしれません。

もし全てのカプセルが同じ色だった場合、

切り替えの時に残ってしまったシーブリカプセルを間違って吸ってしまうかもしれないので、

取り違え防止に色を分けているんですね。

各カプセルの包装には薬剤の名前の記載がありますが、

注意して見る患者は吸入指導の経験からほとんどいませんでした。

患者さんはもらった薬をそのまま使用すればいいと思う患者も少なからずいますので、色の違いから誤使用防止をしています。

誤飲しても副作用が少ないと考えられる

患者さんの中に間違えて誤飲してしまう方が実際にいました。

イバスタ
イバスタ

患者さんだけでなく、家族の方も勘違いしてしまう方がいるので注意が必要です。

もしも間違って誤飲してしまった場合、慌てずにカプセル自体は通常の内服薬のカプセルと同様のものですと患者さんにお伝えして頂ければと思います。

また薬剤に関しては

健康成人に本剤を吸入投与したときの
グリコピロニウム及びインダカテロールの絶対的バイオアベイラビリティは約 40%及び 47%~66%と推定された

ウルティブロインタビューフォームより引用

グリコピロニウム
経口投与時の絶対的バイオアベイラビリティ:約 5% 

ウルティブロインタビューフォームより引用

グリコピロニウムに関しては誤飲しても、ほぼ吸収がされないと解釈して問題ないかと思います。

インダカテロール
吸入投与時に対する経口投与時の相対的バイオアベイラビリティ:45.8% 

ウルティブロインタビューフォームより引用

インダカテロールはほぼ吸入した時と同程度と考えて良さそうです。

オンブレスだと150μg、ウルティブロは110μg、エナジア は150μg、アテキュラ150μgなので、そもそも通常の内服量よりは少なくなります。

MF(モメタゾンフランカルボン酸エステル) のブリーズヘラーによる吸入投与時に対する経口投与時の相対的バイオアベイラビリティ
(経口投与時の用量補正した AUClast/ブリーズヘラー®を用いた吸入投与時の用量補正した AUClast)は、9.2~10%と推定された。

エナジア インタビューフォームより引用

モメタゾンのバイオアベイラビリティは約10%なので副作用発現は少ないかなと推測されます。

そもそも吸入薬のメリットは、気管支だけに作用するために作られているので内服する量よりもかなり少ない量なので大量に誤飲しない限り、そこまでの作用はないと考えられます。

実際に手に取ってみると内服用のカプセルと変わりないので、誤飲は特に注意が必要です。

カプセルは包装してあるので、油性ペンで日付を書くなど工夫ができる

充填用のカプセルはブリスター包装(アルミ製)でマジックで日付を書いたりすることにより吸入忘れや、重複投与を防ぐことができます。

また内服薬と一緒にユニパックや大きめのピルケースで一緒にすることもできるという特徴もあります。

内服薬と一緒に保管すること可能です

ご高齢の患者さんが退院する時には包装に吸入する日付を書いてあげてお渡しすると喜ばれます。

もし吸入忘れで残薬が出てもアルコールでマジックを消し、書き直すこともできます。

1日1回でいい

1日1回でいい

ブリーズヘラーの用法は1日1回なので、エリプタ、レスピマットなどと同じ用法になります。

1日1回のメリットは

回数が少ないので吸入忘れを防ぐことができる、さらに患者さんの好きな時間に吸入タイミングを設定できることです。

たとえ、朝吸入するのを忘れたとしても

ウルティブロ®の吸入を忘れてしまった場合は、可能な限り速やかに1回分を吸入してください。ただし1日1回を超えて吸入しないでください。絶対に2回分を一度に吸入しないでください。

ウルティブロFAQより引用

このように、思い出した時に吸入すればいいので、忘れたときの対応もしやすいのがメリットです。

何回でも吸い直しができる

さらに、何回でも吸い直しができることがブリーズヘラーの最大のメリットです。

カプセルの中身がなくなるまで、何度も繰り返し吸い直すことができます。

吸入デバイスでよくあるミスは

吸うタイミングが合わずにしっかり吸うことができなかった。といったミスです。

この誤操作はpMDI、レスピマットといった吸入デバイスが該当し

一発勝負になってしまうところが悩ましいです。

しかしブリーズヘラーは何度も繰り返し吸い直せるので、何回ミスしても問題ありません。

強く吸いすぎると薬が全く吸えないことがありますが

ブリーズヘラーはやり直しができるので、全て吸えるまで再度吸い直してもらいましょう。

吸気流速があまりなくても吸入可能

またブリーズヘラーには吸気流速(吸う力)があまり必要ありません。

吸気流速ですと20L/min以上で吸うことができ、他のDPI製剤(dry powder inhaler:粉末製剤)が吸えなくてもこのブリーズヘラーを吸うことが可能です。

特にCOPD患者さんですとHOT(在宅酸素療法)が導入されているので、

吸う力が弱いために、こういう患者さんに向いています。

ただしそれでも吸えない場合は、

レスピマットやpMDIなどに切り替えてもらうよう、

医師に疑義照会をする必要があるかと思います。

患者さんにある程度吸う力があるのであれば、医師へブリーズヘラーのメリットを伝えた上で処方提案をするといいかもしれませんね。

ブリーズヘラーセンサーが新たに開発されました

ブリーズヘラーセンサーが新たに開発されました

エナジア 、アテキュラの発売とともに、患者さんの吸入コンプライアンス向上のためのセンサーが同時に発表されました。

プロペラ・ヘルス社により開発された「ブリーズヘラー®」に装着するセンサー「ブリーズヘラー®センサー」とBluetoothでつなげることが出来る「プロペラ®スマートフォンアプリ」により、吸入確認、服薬リマインダー、および患者さんが選択すれば主治医に日々の服薬の記録を共有することが出来ます。

ノバルティス ファーマ、本邦初のLABA/LAMA/ICS固定用量配合喘息治療剤「エナジア®」、およびLABA/ICS固定用量配合喘息治療剤「アテキュラ®」を新発売より引用

このセンサーをブリーズヘラーに装着し、スマホにアプリをダウンロードすることで

  • 吸入確認
  • 服薬リマインダー機能
  • 主治医に服薬記録などを共有できる

このように、患者さんの吸入コンプライアンスだけでなく、医師へのフィードバックもできるようになります。

プロペラセンサーには

マイクロチップ、マイク、Bluetooth機能、アンテナ、およびバッテリーが搭載されています。

ノバルティス、IRIDIUM試験の事後解析により「エナジア® ブリーズヘラー®」の高用量は、中用量に対し喘息増悪を減少させたと発表より参照

今までの吸入器の補助器具は

吸入操作を補助することが主な目的でしたが

今回のセンサーはコンプライアンスの向上を目的としています。

またアプリをダウンロードすることで各個人ごとに設定された機能

例えばその場所の空気の質や天気予報を患者さんに提供したり、

いつ吸入をしたのかを自動で記録したり、

紛失したとしても、位置情報を使用して見つけ出すこともできる

高機能なセンサーなんです。

ただ心配なこととして

アプリをダウンロードした後にメールアドレスやパスワードの設定することや

アプリ立ち上げなど

高齢者の患者さんが使いこなせるかというと少し疑問が残ります。

どちらかというと若い患者さんや患者さんのご家族がアプリをダウンロードして、吸入コンプライアンスを見守るような感じだと思います。

ブリーズヘラーは吸気流速がある患者さんにオススメです

ブリーズヘラーは吸気流速がある患者さんにオススメです

今回は、ブリーズヘラーについて取り上げました。

エナジア、アテキュラの発売によって、COPDだけでなく、気管支喘息にもブリーズヘラーが使用されることになりました。

そのため、ブリーズヘラーを服薬指導する機会も以前よりも増えてくると思います。

ブリーズヘラーの良さは

  • 1日1回でいいので患者さんの都合のいい時間で吸入することが可能
  • 一回きりではなく、何度も吸い直しが可能
  • 誤飲しても副作用が少ないこと
  • 吸入できたかどうかは、カプセルの中身を確認することで分かる
  • カプセルは包装しているので、油性ペンで日付を書くなど工夫ができる

もし、吸入忘れが多かったり、一度で済ませたい、吸えたかどうかを確認したいと希望する患者さんにはブリーズヘラーの処方提案は有益だと思います。

以上です。

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