ランソプラゾールOD錠を溶かすには温湯より低めの温度で

チューブ詰まり

こんにちはイバスタです。

看護師さん
看護師さん

あれ??

患者さんのフィーディングチューブが詰まってる!

ランソプラゾールOD錠ってODって記載があるから温湯(55°C)でも普通に溶けているはずだよね?

なんで詰まったの?

ランソプラゾールOD錠を簡易懸濁をすることでチューブ閉塞が起きる事例は薬局ヒヤリ・ハット事例集や論文でも取り上げられる注意すべき事例です。

先日ツイートしたのですが

ランソプラゾールはOD錠なので簡易懸濁はもちろんできます。

しかし湯温(55℃)で簡易懸濁をしてしまうとなんと経腸栄養チューブが詰まるリスクがあるんです。

そこで今回はランソプラゾールOD錠の簡易懸濁が温湯でチューブ閉塞のリスクになるのかお話したいと思います。

なぜランソプラゾールODがチューブに詰まってしまったのか?

OD錠とは口腔内崩壊錠のことを示します。

文字通り、薬が唾液で溶ける特徴のある錠剤ですね。

なので水で溶かしたとしても問題なく溶けるはずですが、ランソプラゾールOD錠にはマクロゴールと言われる添加物が入っており、これがチューブが詰まる原因となることがあるのです。

なんでマクロゴールが使われているのか?

では次にマクロゴールがランソプラゾールOD錠になぜ使用されているのか解説していきたいと思います。

このランソプラゾールODには2つの目的でマクロゴールを使用していまして

1つ目はランソプラゾールの安定性のためです。

ランソプラゾールは胃酸で簡単に分解されてしまい、そのまま内服してしまうと効果が得られないので腸溶性皮膜を施しています。

したがって、胃で分解されることなく腸まで到達し、腸で溶けるような仕組みになっているわけです

2つ目は苦味を抑えるためです。

これをマスキングと言うのですが、打錠の工程で錠剤がヒビなどが生じないようにクエン酸トリメチルという添加物を加えます。

このクエン酸トリメチルが苦味の原因になるので、マクロゴールでコーティングしてあげて、その結果苦味を抑えられるわけです。

マクロゴールとは?

マクロゴールは別名ポリエチレングリコール(PEG)と呼ばれ、マクロゴールの分子量によって様々な特徴を持ちます。

分子量が400ならば液状、1500ならばペースト状、4000以上では粉末状となり分子量によって液体から固体まで変幻自在なので、軟膏、座薬の基剤や錠剤では滑沢剤{杵面に錠剤の一部が付着して剥がれること(スティッキング)を防止する}などに使用されるというメリットがあるわけです。

そしてこのマクロゴールの特徴を利用しモビコールという薬剤が開発されました。

この薬剤は主成分のポリエチレングリコール(マクロゴール4000)が持つ浸透圧効果を利用して腸内の水分量を増やす働きがあり、慢性便秘に対して使用されています。

そして今回のランソプラゾールOD錠にはマクロゴール6000が含まれていまるので、粉末状となるわけです。

ここでポイントなのがマクロゴール6000の凝固点が 56~61°Cというところにあります。

簡易懸濁法で使用する温湯は約55℃なのでそれよりも温度が高くなってしまうと、マクロゴール6000の溶解する温度に到達し、その後再び温度が下がることで凝固してしまいます。

これがランソプラゾールOD錠によるチューブ詰まりを引き起こす原因となるわけです。

この55℃よりも低めの温度での溶解がポイントです。

なお、本製剤は、マクロゴール6000を含有する製剤である。マクロゴール6000含有の製剤は、マクロゴー ル6000が56~61°Cで凝固するため温度を高くしすぎるとチューブに入る前に固まってしまう恐れがある。本製剤につき、簡易懸濁法を適用する場合は、55°Cより少し温度が低くなってから 崩壊させることが望ましい。 

簡易懸濁法における崩壊懸濁試験及び通過性試験
日本ジェネリック株式会社より引用

製薬企業でも温度を高くし過ぎぎるとチューブに薬剤を入れる前に固まってしまう恐れがあるため、55℃より低めの温度で懸濁させるようにとの記載があるので、もしも正確に温度が測れないのであれば常温の水で溶解するのが良いかと思います。

温度計を使用せずに50℃付近にするには

温度計

では温度計を使用せずにできるだけ50℃付近にしたい場合はどうすればいいでしょうか?

方法としては、ボウルなどに沸騰したお湯と同じ量の水道水を入れて混ぜると、約50℃~55℃のお湯ができあがります。

この温度ならばマクロゴール6000が融解しない温度になるので、チューブ詰まりを防げるかもしれません。

より確実性を求めるならもう少し水道水を足すのもありですね。

経管投与をしている患者さんがおりましたら一度確認を

今回はランソプラゾールOD錠の簡易懸濁について解説しました。

患者さんで、経口での内服が難しくなり、経管投与に切り替えた場合に、もしもランソプラゾールOD錠含まれていましたら、温湯ではなく常温の水で溶解もしくは温度計を使用し簡易懸濁するように看護師さんにお伝えしています。

OD錠だから問題なく溶けると思っている方もいらっしゃると思うので、一言患者さんのご家族や看護師さんにランソプラゾールの簡易懸濁の方法について確認の意味でお伝えしてみてはいかがでしょうか。

ありがとうございました。

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