こんにちは、イバスタです。
これは記事にしようか悩みました。でもやはり1人でも多くの人に届けたい内容だと思い記事にすることを決めました。
テーマにある通り、私は心停止した方を発見し心肺蘇生をしました。
個人情報の観点もあるかと思いますので、多少背景はフィクションを織り交ぜています。ご了承ください。
コンテンツ
病棟業務で患者さんの処方を調剤へ取りに行く移動の途中だった。
いつもは通らないルートだったが、こちらの方が病棟に近いからと思い、ドアを開けた廊下の先で、仰向けで倒れている人がいました。
明らかにおかしい…これはまずい…
急いで近づくと顔面は蒼白、目は開いているものの瞳孔は開いており、声をかけても、体を揺さぶっても全く反応がなかった。
その瞬間、自分の中で「これはまずい」という確信となった。誰もいないその空間で、自分が何かをしなければならない。そう強く思いました。
本当に自分はBLS、ICLS研修に参加していて良かったと思いました。
パニックになりかけた心を抑え、とにかく人を呼ばなければと廊下に飛び出し、近くにいた清掃員の方に「誰でもいいから早く人を呼んで!」と大声で頼みました。
そしてすぐ現場に戻り、意識確認、呼吸確認を再度行いました。
呼吸は感じられず、脈もない。脈の測り方がおかしかったか?
いやそんなこと言っていられないだろ。胸骨圧迫して嫌がったらやめればいい話だし。
場所が悪い、頭がドアに近過ぎて強打する。もっと内側へ移動しよう。
その方を内側に移動させ、次に気道の確保。頭部後屈あご先挙上法で気道を開き、胸骨圧迫開始。
下手とか、上手く出来てるとかわからないけど、もう一定の間隔で押すだけ。
肋骨折れてしまうかもしれない、意識回復したら謝るしかない。分かるのは乳頭間の中心を掌底で押すこと。
加減が分からず最初は遠慮してしまい、圧迫が甘くなってしまった。しかし、状況の深刻さを再認識し、強い力で30回の胸骨圧迫を実施。
2セット目に入った頃、医師が到着。脈を確認し、再び心拍なしと判断。私が継続で胸骨圧迫を続ける中、その方は一度大きく息をしました。
心拍再開したか??
しかしまた呼吸がなくなり、胸骨圧迫を再開しました。
どれくらいの時間が経ったかは分かりません。おそらく1〜2分か。2人目の医師が到着し、胸骨圧迫を交代。
その時にはすでに複数の医療スタッフが周囲を囲んで胸骨圧迫の現場を見ていました。
その後、複数スタッフが救急カート、順にストレッチャーを持ってきてくれてその後集中治療室へ運ばれていきました。
この方のその後の経過については控えさせていただきますが、私がこの体験から強く伝えたいのは、「その場に居合わせた人が何をするか」で救命率は大きく変わる、ということです。
私は研修を受けていたからこそ冷静に動けた部分もありました。これは紛れもない事実だと思います。
元々BLS研修も面白そうだなと思い受けた程度でした。でもほとんど忘れていても役に立った。
実際に圧迫を始めるまでは迷いと不安がありました。医療従事者であっても、経験が浅ければ迷います。ましてや一般の方であれば、突然の状況で何もできなくなってしまうことも十分にあり得ます。
でも、それで終わってはいけません。
だからこそ、覚えておいてほしい「ひとつのこと」
何よりもまず、大声で人を読んでください。
これだけで良いんです。完璧な心肺蘇生ができなくてもいい。
呼ぶことで、周囲の人がAEDを持ってくる、救急車を呼ぶ、経験者が駆けつけてくれる。救命に必要な環境を整える「第一歩」は、あなたの声です。
いざというとき、声が出せるか、体が動くか。本当にそれだけだと思います。
*もちろん、看護師、医師、救命士などは経験があるのでより的確な対応ができると思います。
怖くて、震えて、何をしていいか分からない。でも、そんな時こそ「人を呼ぶ」という行動だけでも、その人の命を救う可能性が生まれます。それだけでもいいんです。人を呼べば、来る人は落ち着いているしアイディアも出てくる。
自分でなんとかしようとおもわないでください。
以下に、心肺蘇生法の流れを簡潔にまとめておきます。
- 安全確認:自分と周囲の安全を確認する
- 反応確認:肩を叩きながら声かけ。「大丈夫ですか?」
- 呼吸確認:胸やお腹の動きを見て正常な呼吸があるか確認(10秒以内)
10秒も見てられないと思います。 - 助けを呼ぶ:大声で周囲に「119番通報してください!AEDを持ってきてください!」
*恐らくAED,119番も出てこないと思うので「人が倒れてます。人を呼んで!」でいいと思います。 - 胸骨圧迫開始:胸の真ん中を1分間に100〜120回、5〜6cm沈む深さで強く早く押す
胸骨圧迫の速さはアンパンマーチをイメージするといいと言われています。 - 人工呼吸(可能であれば):胸骨圧迫30回に対して2回の人工呼吸
- AED使用:届いたらすぐ電源を入れて指示に従う
これを早く持ってきてもらう。AEDが心拍確認をしてくれるので。 - 救急隊到着まで続ける
- BLS(Basic Life Support):一次救命処置の基本。一般人から医療者までが実施可能。心肺蘇生、AED使用など。
- ICLS(Immediate Cardiac Life Support):日本で広く使われる医療従事者向けの救命講習。急変時対応に特化。
これらの研修を受けることは、たとえ医療者でなくとも、大切な人や誰かの命を救う可能性を大きく引き上げます。
AED(自動体外式除細動器)は、心停止時の電気ショックを与えるための医療機器で、全国の多くの場所に設置されています。
よくある設置場所
- 駅・空港・バスターミナル:改札口や案内所付近
- 市役所・区役所・図書館・公民館:入口やロビー
- ショッピングモール・デパート・スーパー:インフォメーションカウンターやトイレ近く
- スポーツジム・体育館・プール:受付や出入口付近
- 病院・クリニック・介護施設:玄関や受付周辺
- 学校・企業・オフィスビル・ホテル:職員室やフロント付近
探し方のポイント
- 「AED」マークの赤いハートに稲妻のロゴを目印にする
- 建物の案内表示・フロアマップを確認
- 近くのスタッフ・職員にすぐに尋ねる:「AEDはどこですか?」と声を出すのが最速
- スマートフォンアプリ(例:救命ナビ、日本AEDマップ)も活用可能
AEDは使用時に音声で操作ガイドをしてくれるため、誰でも扱えるよう設計されています。
これも是非とも、一度実際に触って経験しておくといいと思います。
人が倒れる場面は、病院内だけではありません。
駅でも、スーパーでも、職場でも、いつどこで遭遇するか分かりません。もしかしたらこの記事を読んだすぐ後に遭遇するかもしれません。
そんな時、完璧な処置ができなくてもいい。何もできなくて後悔するくらいなら、「人を呼ぶ」という行動を、ぜひ心に刻んでください。
それだけで、その人の命が救われる可能性があるのです。
自宅で倒れた場合であれば、まず119番に電話する。しかし、実際にはパニックでそれさえ忘れてしまうこともあります。
そんな時は、家族や近くにいる誰かに電話をする、叫ぶ、助けを求める。誰でもいい、何でもいいからとにかく「人を呼ぶ」ことに集中する。
それができるだけで、あなたは十分に命を救う手助けができています。
そして、できることならBLS研修を一度でも受講してほしい。
それが、いつかあなたの大切な人を救う一手になるかもしれません。
繰り返します。
人を呼ぶ。それだけは、どんな救命措置を忘れても絶対に忘れないでください。
それだけで救えるかもしれない命があります。

