セフトリアキソンとリンゲル液の相性

*この症例は仮想の患者さんを想定しています。
問題に誤りや考え方の違いは必ず出てくると思います。
しかしそれを発見したり考察することも考察力の向上や勉強に繋がるので、そう考えてお役立てください。
誤りがあってもあえて修正はしません。(回答ではなく調剤監査力を向上して欲しいため)
そのため、実際の臨床で使用する場合はしっかりとエビデンスやガイドラインを確認した上で使用してください。
指摘、ご意見はコメントで頂けると問題としての質も上がると思いますので、ぜひコメントを頂ければありがたいです。

【輸液問題】

患者氏名A  女性80歳 体重50kg Scr 0.6  末梢ルート右前腕部

【診断】腎盂腎炎

【処方 】

①ラクテック500ml 60ml/h ×3本 末梢メイン

②セフトリアキソン 1g/V  1回1V 6時間毎 側管

依頼内容

1:上記処方監査してください。

2:監査した上で問題点を抽出し対策を提案してください。  

監査提案

1:ラクテックが1本につき8時間投与。24時間持続投与されていると判断。セフトリアキソンが側管から投与されている。

セフトリアキソンは粉末製剤であり希釈液が必要だが希釈液の処方がない。希釈液は5%ブドウ糖100mlや生理食塩液100mlなどを提案。

またセフトリアキソンは肝代謝のため腎機能での調節は不要、1日1回で良いため2g1×24時間毎の提案。(重症であれば4g2×へ)。

また流速の指示ないため流速の指示も依頼。1時間での投与を提案。(投与時間については緩徐であればいいので投与時間の調整は可能)

2:問題はラクテックとセフトリアキソンが同時投与となっていること。ラクテックにはCaが含まれているためセフトリアキソンとの同時投与は避ける必要がある。

セフトリアキソンとカルシウムは相性×

カルシウムを含有する注射剤又は輸液と同時に投与しないこと。国外において、新生児に本剤とカルシウムを含有する注射剤又は輸液を同一経路から同時に投与した場合に、肺、腎臓等に生じたセフトリアキソンを成分とする結晶により、死亡に至った症例が報告されている。

セフトリアキソン添付文書より

持続投与ではあるが、メインが止められるようであればメイン止めしてもらい、投与後は生食などをフラッシュしてもらうに依頼するのが良い。

今回の患者への別ルートを取ってもらう優先度は低いと思われる。
患者のCCrは59ml/minであり、腎機能は正常ではあるが、もともとセフトリアキソンは肝代謝のため、投与量調節は不要。

以上です。